予後予測を覆した奇跡

今から8年ほど前、病気一つした事がなかった母が突然意識を失い倒れました。

救急車で病院に運ばれ、診察の結果は左被殻出血、いわゆる脳出血でした。

脳出血と共に、水頭症になっているとの事ですぐに手術となり、術後に医師からの説明がありました。
その内容は「画像から推測し、おそらく重度の片麻痺と言語障害が後遺症として残るでしょう。今後は車椅子生活になる事を覚悟しておいて下さい。」と言う最悪の状態。

あれだけ元気だった母がなんでこんな事にと大きなショックを受けつつ、これからどうなっていくんだろうという不安感でいっぱいになりました。
それから母は3週間意識が戻らず、身体はどんどん痩せ細って行きました。
その後、何とか意識は戻った頃に、水頭症の再発が見つかり、再度手術を受ける事になりました。

また手術なのかと落ち込みましたが、術後は、意識がクリアになり、手脚の動きが出たら、言葉も出るようになるなど、予想以上に状態が良くなって行きました。
「先生が言っていたよりも全然いい状態じゃないか。しっかりリハビリをしたら、また元の生活に戻れるかも知れない。」と希望が湧き、リハビリ病院への転院手続きを取っていた頃、再び大きな壁が立ちはだかりました。
母は病院内で多剤耐性緑膿菌という、薬が効かない感染症にかかってしまいました。

すぐに多床室から個室へ隔離され、リハビリ病院の転院は消滅。
急性期病院での1日20分程度のリハビリしか受ける事が出来ず、1番伸びる時期にリハビリを受ける事が出来ない状態が2ヶ月ほど続きました。
しかし予想に反して母はみるみる元気になって行き、密なリハビリを受けていないにも関わらず、言葉がたくさん出るようになり、歩行も少し支えれば歩けるようになりました。

リハビリ病院に転院する頃には杖だけで歩けるようになっており、医師も「こんな事ってあるんだね。本当に奇跡的です。」と目を丸くしていました。

リハビリ病院に入院して、3ヶ月後には何も持たない状態で歩けるようになり、言葉はやや不明瞭ながらも普通に生活する事には何も問題ないくらいにまで状態が改善して行きました。
医師からの予後予測に最初は大きなショックを受けましたが、母は信じられない奇跡を起こしてくれました。
今では完全に笑い話で、再発もなく元気に暮らす事が出来ています。